カテキン、テアニンだけじゃない。狭山茶の成分と知られざる魅力

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」

この茶摘み歌にもある通り、私たち杉本園が生産する東京狭山茶の最大の特徴は、その「濃厚な味」にあります。

緑茶の成分といえば「カテキン」や「テアニン」が有名ですが、実は東京狭山茶には、寒冷な気候と独自の製法が生み出す、他にも多くの魅力が詰まっていることをご存知でしょうか?

今回は、お茶のプロフェッショナルである杉本園が、東京狭山茶ならではの成分と、日々の豊かな時間やリラックスタイムに役立つ知識をご紹介します。

1. なぜ東京狭山茶は「味が濃い」のか?

成分のお話をする前に、少しだけ東京狭山茶の背景に触れさせてください。ここが味わいの濃さに直結する重要なポイントだからです。

東京狭山茶の産地は、経済的にお茶を生産できる北限に近いと言われています。冬の厳しい寒さを乗り越えるため、狭山の茶樹はじっくりと時間をかけて成長し、自ら葉を厚くします。

肉厚な茶葉: 東京狭山茶特有の重厚なコクと、奥深い味わいの源

狭山火入れ: 高温での火入れによる独特の香ばしさ

この「葉の厚み」と伝統の「火入れ」技術が、他の産地とは一味違う、力強い味わいのプロフィールを作り出しているのです。

2. 基本の2大成分「カテキン」と「テアニン」を再確認

まずは基本のおさらいです。どの緑茶にも含まれますが、東京狭山茶の味わいの骨格を作っている大切な成分です。

カテキン(渋み成分)

ポリフェノールの一種で、お茶のキリッとした渋みのもととなる成分です。

特徴: 植物が身を守るために持つ成分であり、私たちにとっても親しみ深い健康成分です。

東京狭山茶での楽しみ方: 肉厚な葉で育つ東京狭山茶は、しっかりとした渋みとコクを持ち合わせています。脂っこい食事の後に飲むと、口の中がさっぱりとしてリフレッシュできます。

テアニン(旨み・甘み成分)

お茶特有のアミノ酸の一種です。

特徴: 忙しい毎日のホッと一息つく時間(リラックスタイム)にぴったりの成分です。

東京狭山茶での楽しみ方: 厳しい冬を越すことで生まれる奥深い味わいは、東京狭山茶特有の「甘み」につながっています。忙しい合間の休息におすすめです。

3. ここが本題!東京狭山茶ならではの注目成分と魅力

ここからが本題です。カテキンやテアニン以外にも、東京狭山茶(特に上級煎茶や深蒸し茶)には、知られざる魅力的な成分が含まれています。

① ピラジン類(香り成分

これこそが、「狭山火入れ」の真骨頂です。 東京狭山茶は仕上げの段階で「火入れ(焙煎)」を強く行います。この時にアミノ酸と糖が反応して生まれる香ばしい香気成分が「ピラジン」類です。

期待される働き: 急須から立ち上る香ばしい香りには、張り詰めた気分を優しく切り替えてくれるような魅力があります。

楽しみ方: お湯を注いだ瞬間に広がる、あの香ばしい香り。まずは深呼吸して、香りから「お茶の時間」を楽しんでみてください。

② ビタミン類(特にビタミンCとE)

意外と知られていませんが、緑茶にはビタミン類も含まれています。

ビタミンC: 熱に弱いとされるビタミンCですが、お茶に含まれるものは比較的安定していると言われています。毎日の水分補給とともに、美味しくビタミンも補給できるのが嬉しいポイントです。

ビタミンE(トコフェロール): ご存知でしたか?茶葉にはビタミンEも含まれています。ただし脂溶性(水に溶けにくい)ため、お茶として飲むだけでは茶殻に残ってしまいます。

杉本園のワンポイント: 柔らかい茶葉なら、おしたしや天ぷらなどに調理して食べることで、茶葉の栄養をまるごと美味しくいただけます。食材を無駄にしない、賢い楽しみ方です。

③ サポニン

お茶を淹れた時に出る「泡」の正体です。「お茶の泡は縁起が良い」とも言われます。

期待される働き: お茶で口をゆすぐと、独特のサッパリ感が得られます。食後のエチケットや、お口のリフレッシュ習慣として、昔から「お茶うがい」が親しまれてきた理由かもしれません。毎日の習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。

4. 狭山茶のポテンシャルを引き出す飲み方

その時の気分に合わせて淹れ方を変えることで、楽しみ方が広がります。

シャキッとしたい時(カテキン重視)

温度: 80℃以上の高温

渋みがしっかり抽出され、カテキンの味わいを堪能できます。朝の目覚めや、気分転換したい時に最適です。

リラックスしたい時(テアニン・香り重視)

温度: 70℃〜80℃(少し湯冷ましして)

旨み成分テアニンが引き立ちます。また、狭山火入れの香ばしい香りが立ち上り、心安らぐひとときに最適です。

美味しく飲んで、豊かな毎日を

狭山茶が「味でとどめさす」と言われる理由は、美味しさはもちろんのこと、厳しい自然環境と職人の技が生み出す「味わいの深さ」にあるのかもしれません。

昔からお茶は、人々の暮らしに寄り添ってきました。 「美味しいから飲む。それが日々の豊かな時間につながっている」 これが、私たち杉本園が提案する東京狭山茶のある暮らしです。

ぜひ、今日のティータイムには、東京狭山茶の「香り」と「自然の恵み」を意識して、五感で味わってみてください。