ほうじ茶のカフェインは本当に少ない?寝る前でも安心して飲める理由を解説
「寝る前のリラックスタイムに温かいお茶を飲みたいけれど、カフェインが気になる…」
そんなとき、候補に上がるのがほうじ茶ではないでしょうか。ほうじ茶は数あるお茶の中でも「カフェインが少ない」というイメージが定着していますが、そこには納得の理由があります。
今回は、最新の公定データに基づいた含有量の比較や、寝る前のティータイムにほうじ茶が選ばれる理由を、茶農家の知見を交えて分かりやすく解説します。
ほうじ茶のカフェインが少ないと言われる「納得の理由」
緑茶の仲間であるほうじ茶が、なぜ他のお茶よりもカフェインが控えめなのか。それには「作り方」と「原料」に秘密があります。
1. 高温の焙煎でカフェインが逃げていく
ほうじ茶は、せん茶や番茶を強火で煎って(ローストして)作ります。カフェインには、一定以上の熱を加えると気体になって逃げていく「昇華(しょうか)」という性質があります。
一般的に、カフェインが昇華し始める温度は約178℃以上。ほうじ茶の焙煎温度はこれを超える高温で行われるため、原料の茶葉に含まれていたカフェインの一部が取り除かれるのです。
2. カフェインの少ない部位を原料に選んでいる
ほうじ茶の原料には、若芽よりも成長した葉や「くき」の部分(番茶やくき茶)が使われることが多くあります。これらの部位は、もともとカフェインの含有量が穏やかであるため、仕上がりのカフェイン量も自然と少なくなります。
【最新データ比較】飲み物100mlあたりのカフェイン含有量
読者の皆さんが日常的に飲む量(100ml)を基準に、文部科学省の最新データ(※)から数値をまとめました。
| 飲み物の種類 | カフェイン量(100mlあたり) | ほうじ茶との比較 |
| 玉露 | 160mg | ほうじ茶の8倍 |
| コーヒー | 60mg | ほうじ茶の3倍 |
| 紅茶 | 30mg | ほうじ茶の1.5倍 |
| ほうじ茶 | 20mg | - |
| せん茶 | 20mg | 同等 |
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」資料12(カフェイン・ポリフェノール成分表)より浸出液の数値を抜粋
数値で見ると、ほうじ茶のカフェインはコーヒーのわずか3分の1。この「控えめな数値」こそが、夜のひとときに選ばれる大きな安心感につながっています。
数値だけじゃない!「寝る前」にほうじ茶が選ばれる理由
ほうじ茶が寝る前に選ばれるのは、単に数値が低いからだけではありません。ほうじ茶にしかない「香り」が、一日の終わりのスイッチを切り替えてくれるからです。
心を解きほぐす「焙煎の香り」
ほうじ茶特有の芳ばしい香りは、焙煎によって生まれる「ピラジン」という成分によるものです。熱湯を注いだ瞬間に立ち上がるあの香りは、忙しかった一日の緊張感をふんわりと和らげ、心地よい休息の時間へと誘ってくれます。
お腹に優しい「低刺激」
焙煎することで、お茶の渋み成分であるタンニン(カテキン)も変化し、口当たりが非常にまろやかになります。胃への刺激が少ないため、空腹に近い寝る前の時間帯でも、優しく体に染み渡るような感覚で楽しめます。
寝る前に楽しむための、ちょっとしたコツ
より心地よい時間を過ごすために、茶農家がおすすめする楽しみ方をご紹介します。
- 熱湯でサッと、香りを立たせる
ほうじ茶の魅力である「ピラジン」は、熱湯で淹れることでより豊かに広がります。短時間でさっと淹れることで、カフェインの溶け出しを抑えつつ、香りを最大限に楽しめます。 - お気に入りのカップで一杯だけ
水分を摂りすぎると夜中に目が覚める原因になるため、小さめのカップで一杯をゆっくりと、深呼吸しながら味わってみてください。 - 鮮度の良い茶葉を選ぶ
ほうじ茶の命は「香り」です。丁寧に焙煎され、香りが逃げないようパッケージされた新鮮な茶葉を選ぶことで、より深い満足感を得られます。
ほうじ茶で心安らぐ夜を
ほうじ茶は、高温の焙煎によってカフェインが抑えられ、独特の芳ばしい香りをまとった「夜のひとときに寄り添うお茶」です。
「カフェインは気になるけれど、温かい飲み物でホッとしたい」という方は、ぜひ今夜からほうじ茶を試してみてください。茶農家が丹精込めて仕上げたほうじ茶の香りが、あなたの夜をきっと穏やかな時間に変えてくれるはずです。