小池百合子東京都知事が杉本園製茶に来園!「東京狭山茶」と伝統の「手もみ製法」の魅力を直接PRいたしました
この度、杉本園製茶にとって大変名誉な出来事がございました。7月上旬、東京都の小池百合子知事が東大和市への行政視察の一環として、当園に来園されました。
日頃より私たちが情熱を注いでいる「東京狭山茶」の栽培現場や、伝統技術である「手もみ茶」の製法について、都知事に直接ご説明し、実際に味わっていただくという貴重な機会をいただきました。今回の記事では、当日の様子や、知事にお伝えした私たちの「お茶づくりへの想い」について、詳しくご報告させていただきます。
都知事が注目した「東京狭山茶」の現場
当日は、当園の後継者である杉本貴文と妻の弘美が中心となり、小池知事をお迎えいたしました。 東大和市は、宅地化が進む東京都内にありながら、豊かな自然と農業が息づく地域です。その中でも「東京狭山茶」は、地域を代表する特産品の一つ。小池知事は、茶園の様子を熱心にご覧になりながら、都内での農業経営や特産品の育成について耳を傾けてくださいました。
私たちは、単にお茶を生産するだけでなく、この土地の気候風土を活かし、どのようにして茶葉の旨味を引き出しているか、その栽培方法や製造工程について詳細に説明させていただきました。
機械を使わない究極の技術「手もみ茶」の実演
視察の中で特に知事が関心を寄せられたのが、私たちが夫婦で研鑽を積んでいる「手もみ茶」の技術です。
現代の茶業は機械化が進んでいますが、当園では古来より伝わる「手もみ」の技術継承にも力を入れています。「手もみ茶」とは、その名の通り、機械を一切使わず、人の手だけで茶葉を揉み上げる製法です。 「焙炉(ほいろ)」と呼ばれる加温した台の上で、約6時間から9つの工程を経て、生葉を針のように細く美しいお茶へと仕上げていきます。
この工程は、単なる力仕事ではありません。茶葉の状態、その日の気温や湿度に合わせて、指先の感覚を研ぎ澄ませながら水分を抜き、形を整えていく、非常に繊細な技術です。 機械で揉むよりも茶葉に優しいため、雑味が少なく、若葉本来の新鮮な香りと、奥深い甘味が引き出されるのが最大の特徴です。
知事には、この手もみ製法の工程をご説明し、実際に手もみ茶ならではの香りや味わいについてお話ししました。記事の写真にもあります通り、知事にお茶を試飲していただきましたが、東京狭山茶の深い味わいに、安らぎのひとときを感じていただけたのではないかと思います。
夫婦二人三脚で挑む、全国トップレベルの技術
今回、手もみ茶の説明に熱が入ったのには理由があります。それは、私たち夫婦が共に「手もみ茶技術」の向上に真剣に取り組んでいるからです。
記事でもご紹介いただきましたが、杉本貴文は昨年開催された「第31回全国手もみ茶品評会」において1等2席を受賞。妻の弘美も2021年の同品評会で1等4席を受賞しており、夫婦揃って全国レベルの評価をいただいております。
手もみ茶は、お茶づくりの原点です。手もみでお茶の葉の特性を知り尽くすことは、機械製茶の技術向上にも直結します。「より美味しいお茶をお客様に届けたい」という一心で、夫婦で切磋琢磨しながら技術を磨き続けています。都知事への説明を通して、改めてこの伝統技術を次世代へ繋いでいく責任と喜びを感じることができました。
地元で愛される「東大和紅茶」の魅力
また、今回の視察では、手もみ茶の技術を応用して作られた国産紅茶(和紅茶)についてもPRを行いました。
当園では、独自ブランドとして「東大和紅茶」を展開しています。これは、緑茶用の品種を使い、手もみ茶やこれまでの栽培で培ったノウハウを活かして作られた紅茶です。 海外産の紅茶と比べて渋みが少なく、口当たりが非常に優しいのが特徴で、「砂糖なしでも甘みを感じる」「飲みやすい」と、地元・東大和市の皆様から大変ご好評をいただいております。
この「東大和紅茶」は、地元の農産物直売所「みどりっ子仲原店」などでも販売しており、地域ブランドとして少しずつ認知が広がっています。緑茶だけでなく、紅茶という新しい切り口からも、東京狭山茶のポテンシャルを感じていただけたことと思います。
「急須で淹れるお茶」の文化を、未来へ
最後に、今回の視察を通じて私が一番お伝えしたかったこと。それは「日本茶の文化」そのものです。
近年、ペットボトルのお茶が主流となり、手軽にお茶を楽しめるようになりました。それは素晴らしいことですが、やはり「急須で淹れたお茶」には、ペットボトルでは味わえない格別の体験があります。
お湯を沸かし、急須に茶葉を入れ、湯を注ぐ。 立ち上る湯気と共に広がる、若葉の爽やかな香り。 口に含んだ瞬間に広がる、複雑で濃厚な旨味と余韻。
「ペットボトルで飲むお茶も良いですが、急須で注がれた日本茶本来の香りや味を感じてほしい」
記事の中で私が述べたこの言葉には、ただお茶を売るだけでなく、お茶を淹れる時間や空間、そこにある心のゆとりといった「文化」を伝えていきたいという強い願いが込められています。
今回の小池都知事の来園は、私たち杉本園製茶にとって、自分たちの仕事の意義を再確認する大きなきっかけとなりました。 これからも、東京・東大和の地で、お茶の栽培・製造に精進し、日本茶の持つ奥深い魅力や文化を、一人でも多くの方にお伝えできるよう努めてまいります。
杉本園製茶のお茶は、オンラインショップでもお求めいただけます。 ぜひ一度、私たちが丹精込めて育て、仕上げた「東京狭山茶」を、急須で淹れて味わってみてください。きっと、いつもの日常が少し豊かになる、そんな一杯に出会えるはずです。
